第27章 アップルパイ
研磨くんがお風呂から上がってきた。
「…なんかやってみたいのあった?」
『…ん?これ見てるとどれも面白そうって思う』
「………」
『…でもきっと研磨くんがしてるのみるのが一番面白い気がする』
「…ん」
『けど、今度これやってみたい』
「あぁ、うん。それならいいかもね」
研磨くんの持ってるソフトの中でちょっと異質というか、
可愛らしいのがあった。
村長になって村作りをするやつ。
動物たちと仲良くなって、いろいろ出来ることが増えるみたい。
「それ、あげるって言いたいけど、本体持ってないもんね」
『へっ あ、うん』
「本体もっててもやんないかな、穂波」
『どうかな、未知』
「…今度やろっか。おもしろかったら貸すし」
『でもいつもやってるのできなくなっちゃうからいいよ』
「いや、おれがやってるのはPSP、それは3DSだから」
『…ほぅ』
「本体の種類が違うから、気にしないでいい」
『へぇ、そっか。 とりあえず、今度やってみる。ありがとう』
「…ん。 今、する?」
『あ、ううん。今はいい。 研磨くんがするならみてようかな』
ベッドに座ってる研磨くんの隣に座る。
髪の毛生乾きどころか、結構がっつり濡れたまま。
わたしも人のこと言えたものじゃないけど…
『…髪の毛乾かそうか?』
「え、あ、うん。 いや、あれ?」
『ん?』
「…や、なんか。 いやなんでもない。 乾かして」
『うん、ドライヤー借りてくるね』
脱衣所からドライヤーを借りてきて、
研磨くんの髪の毛を乾かした。
「おれもやる」
『…ん?』
「穂波の髪もまだ乾いてない。てか、いつも」
『…あはは、ね、ずぼらでいかんね』
場所を交代して、研磨くんに乾かしてもらう。
こんなの初めて。
なんだかすごく、どきどきするし、ふわふわするし…
『…ほわほわ』
「え?ごめん何?聞こえなかった」
ドライヤーを切って研磨くんが言う
『気持ちいい。 …ほわほわする』
「…ん。もうちょっとかかりそう。続けるね」