第27章 アップルパイ
ー穂波sideー
夕飯とアップルパイをいただいて少ししてからお風呂もお借りした。
研磨くんの部屋着を着て2階に上がると、
クロさんが研磨くんに話している声が聞こえてきた。
2人での時間…
なにかすごく尊いものだと思って、
そのまま階段を降りて少し、ダイニングでお父さんお母さんと時間を過ごさせてもらう。
「あれー?穂波ちゃんもう上がってる。
湯上がりの穂波ちゃん拝んでから帰ろうと思ってたのに」
クロさんがリビングに降りてきて、
帰る前の挨拶をお母さんたちにしてる。
「穂波、もう上がってたんだ。 おれも風呂入ってくる。部屋にいていいからね。
…じゃあね、クロ。 おやすみ」
「おやすみー」
研磨くんがお風呂へいって、
わたしはもう少しだけお父さんと話の続きをして、
それから研磨くんの部屋に戻った。
ゲームのソフトのパッケージにかいてある説明やイメージ画像をみるのが楽しい。
実際やるとわたしにはわけわからないんだろうけど、
文章や限られた画像から想像するのは自分のキャパ以内のことだからかな、
できそうな気がするし、すごくわくわくする。
研磨くん、大学行きながら、お金を稼ぎたいって言ってたな。
ゲームでかな、って。 プロゲーマーっていうやつなのかな。
プロゲーマーっていうのはオンラインゲームで…?って言ってたような。
それと、9月のBBQのときに、
研磨くんとカズくんのお父さんがわりとよく喋っていたのを覚えてる。
印象的だった。 うちで集まりがあっても、基本研磨くんはいつも通りだから。
カズくん曰く2人はラインの交換もしたらしいし、いろいろやりとりがあるのかもしれない。
やっぱりカズくんのお父さんは研磨くんの興味対象にあるんだなぁって。
どんな話をするのかな、ってぼんやりは思うけど聞こうとは思わない。
そのうち、あ。って答え合わせみたいに、パズルのピースがハマるみたいに、
点と点が線で繋がるときが来るかもしれないな、ってそんな時を想像したりはする。