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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第26章 手のひら









『もう片方の手もしよっか』






片手で俺の手を包んだままもう片方の手を差し出してくる






思わず俺は差し出された方の手首を掴んで、引き寄せた。







『おっと…』







思わず握っていた手を離して俺の腿に手をつきながら、
俺の身体に崩れ込んでくる。







「ちょっと、このまま抱きしめてもいいかな」

『へ? …あ、うん、いいよ。寒い?』

「…寒くはないけど、あたたかいから」

『…ふふ、うん。そうだね。どうぞ、温まってください』

「………」







穂波ちゃんの腰に両手を回し抱きしめる
穂波ちゃんの片手は俺の胸に添えられていて、
片手を俺の背中に回してギュッとしてくれる。

…ハグ、これもハグ、なのだろう。
穂波ちゃんにとっては。

けど俺にとってはちょっと違うもの。
ハグという言葉では片付けたくないと思ってしまう。






『京治くんの心臓の音聞こえる』

「………」

『いつもこうしてると聞こえるけど… あ、京治くんは聞いたことある?心臓の音』

「…ん?」





俺の腕の中で、顔をこちらに向けながら…
俺を見上げながら話しかけてくる
かわいい。…とてもかわいい





『どうしても小さい人が大きい人の胸元にくるでしょ』

「あぁ…」

『それに、部活とかでこう抱擁?しても京治くんの身長だと2mくらいのひとしか胸のとこに頭こないかなぁとか』

「…そうだね、でもこうしてるだけで十分だよ。すきなひ…」

『わたしの心臓の音、聞く?』

「え?」

『あ、いや、無理にとは言わないけど… 心臓の音って落ち着くよ』

「…えーっとそれは、どうやって?」

『わたしが膝で立ってぎゅってするとどうだろう?
わかんないけど心臓と京治くんの耳の高さを合わせる』

「………」






それって、穂波ちゃんの胸に抱き寄せられるということで相違ないだろうか。







………。








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