第26章 手のひら
ー研磨sideー
翔陽の補助してたら烏野の一年マネが来たから、替わってもらった。
座って影山と穂波のことをつい、見ちゃうけど…
ほんと、ただストレッチしてる。
…なにこれ
練習のあともやったのに、なんでわざわざみんなでしてるんだろ。
え、これ何の時間?
ていうかそもそも何で穂波補助されてんだろ。
影山にとって穂波はいわばトレーナー的な感じで、
してもらいたい、教わりたいんだと思ってた。
自分の管理、的な? …なんで穂波の補助してんの。
よく見ると、影山はちょっと考え事してるみたいだ。
そこに違和感を感じてしまうと
穂波が普通に話すために振り向いたり、顔あげたりしてたときに
影山の顔が近いこととか、そういうのが気になってくる。
服の上からだけど、お尻も太ももも腰も触ってるわけだし。脚に跨ったり。
…ま、いいや。気にしても仕方ない類だこれ。
影山に下心があるわけじゃないし。
…え、ないよね?
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・
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ストレッチ終わってもう部屋に戻るのかと思ったけど
穂波がお茶のんでく?って聞くから…
なんかよくわかんない5人で座ってる。
別におれはいつも通り… って言いたいけど目の前に翔陽いるし、
いきなりでかい声で話しかけてくるから困る。
…影山はやっぱなんか考え込んでんだよな
「あっすみません。 母から電話です。 ちょっと失礼します!」
烏野の一年マネが部屋を出て行く。
「おれちょっとトイレ!」
翔陽がトイレに行く。
「…やっぱ」
「…?」
「気持ちよかったっす」
『あ、ストレッチ? 身体伸ばすのは気持ちいいよねぇ。 今、身体が軽い』
「それはそうなんすけど、穂波さんに触られてるのも触ってるのも… 気持ちいいっすね」
『………』