第26章 手のひら
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「失礼します」
今日はいつも自主練してる人たちもみんなと一緒の時間に上がったみたいで、
夕飯が終わるのも早かった。
マネのみんなにはお風呂に行ってもらって、研磨くんを待ちながら仕込みをする。
お風呂のあと、仁花ちゃんもあとから来ることになった。
…なんだか人が集まってしまったなぁとか思いながら。
『あ、影山くん。お疲れさま』
「ぅす。お疲れさまです」
『少しかけて待ってて?すぐ終わるから。 …あ、お茶飲む?』
「あ、いただきます。あざっす」
仕込みをしながらお茶の用意をする。
お茶を持っていくと影山くんは少し啜って、
それからこのお茶何茶っすか?と言った。
…影山くんって慣れてくるとほんとに、なんていうか。
かわいい。
慣れる前はもっと、
近寄り難いほどのオーラを勝手にこっちで作り上げちゃってたけど。
ぽつぽつと話をしながら、仕込みを進めて、
キリのいいとこで片付けに入る。
「おーっす穂波ちゃん!」
「お待たせ…」
研磨くんと翔陽くんもやってきた。
『ちょうど今仕込み終わったとこ。ここでする?どこかいいとこあるかなぁ?』
「…別に人数少ないしここでいいんじゃない?火、使ってたからあったかいし」
『…じゃあ、このままここでいっか』
調理室の後ろ側の少し広いスペースでペアになってストレッチをした。
…ってこれ、わざわざ集まってすることある?って感じだけど。
まぁこういう風に成り行きで集まることもある、か。
昨日、影山くんに触りたいとか、気持ちいいとか言われてだいぶ動揺したけど、
始めてみるとやっぱり影山くんは真っ直ぐで、雑念がないと言った感じで、
なんにも気にならなくなる。
仁花ちゃんが来たのはわたしが影山くんに補助されてる時で、
わたしは別にしなくていいわけだし、交代しようとしたんだけど、
研磨くんが待ってた!と言わんばかりにすっと場所を譲ったので、
翔陽くんの補助を仁花ちゃんがするわけだけど…
わたし、補助されてる側だしなんとも伝え辛くて
頭をたくさん使った。
ひとに教えるってほんと奥が深い。ナ
ストレッチを終えてみんなでお茶を飲むことにする。
初めてのメンバー