第26章 手のひら
「俺、フラれてないの?」
『うーん、お断りはしたけど… わたしの中でそれが振ったに結びつかなかったというか』
「…? まぁいいや。 代表決定戦観に来るの?」
『あっ、うん。予選大会の最終日はね、ちょっといけないんだけど…
代表決定戦の日はもう、レッスン振り替えてある。気が早いけど…
きっと音駒も梟谷も出場するって信じてる』
「おぅ!信じてて!ぜってー出るから。そんで、春高も!」
本当に、力強くてかっこいい人。
それでいて、近付き難さがひとつもない。
「ちょっと、おかわりもらってくる!」
『あ、うん。ありがとう。いってらっしゃい』
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温めておいたオーブンにハンバーグを入れて焼く。
その間に使ったボウルとかを洗っていると、お皿が帰ってくる。
「穂波ちゃん!こっち任されました!」
仁花ちゃんは光太郎くんがいることを不思議そうにしながら、
一緒に洗い物に入ってくれる。
「ごちそうさまー!」
光太郎くんもお皿を返しに来てくれた。
「あっ、そうそう穂波ちゃん!」
『…ん?』
「俺ね9月に18になったんだよー」
『わ!誕生日!いつだったの?』
「20日ぁ!」
『光太郎くん、おめでとう。18歳かぁ…』
ほんとにもう半年もすれば、3年のみんなは卒業していくんだなぁ…
18歳って聞くと一気にそんな感じがする
「だから、おめでとうのハグちょーだーいっ!」
『あ、え、うん、もちろん… なんだけど…』
「今はいいやぁ!また後でゆーっくりハグしてねー じゃー俺行くわ」
『うん、行ってらっしゃい』
蛍くんも光太郎くんも9月生まれなんだなぁ。
福永くんも9月生まれで、
その日は土曜日だったからレッスン後に手伝いに行かせてもらって、
そのまま部活の後でお祝いをした。
これから研磨くん、リエーフくん、犬岡くん、クロさん…
なんだか、秋〜冬のお誕生日が多い気がする。