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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第26章 手のひら


ー月島sideー





夏の合宿を終えてから
電話もメールも結構してる。
昨日の夜も電話した。

穂波さんは連絡はマメじゃないけど、
でも送ればちゃんと、返事をしてくれる。
電話もできる範囲でしてくれる。

このできる範囲というのが心地いい。





メールのやりとりをしてて
9月の末の頃にある誕生日を過ぎてから
流れで僕の誕生日を知ることになった穂波さんは、
その時初めて、向こうから 今電話してもいい? と言った。


ありきたりで当たり前なような
誕生日おめでとうという常套句が、あんなにも沁みたのは初めてだった。






音駒に到着して準備してると
穂波さんは影山とまたストレッチをし始めた。

会ってなかった時間は僕と一緒なはずなのに
前に見た時より明らかに影山がいっぱい喋っているように見える。
そもそも影山が、いっぱい喋ってるっていう図が珍しい。
一体何を話してるのか。

ただでさえ、
肌に直接穂波さんが触れてることに嫉妬するっていうのに。
会話まで盛り上がられちゃあ、もやもやが再燃する。







昼休憩。
昼食を食べる前にトイレで用を済ませで出ると、。






「あ」

『あ、蛍くん。お疲れさまぁ』

「はい。穂波さんもお疲れさまです。仕込みですか?」

『うん、そうだよ。あ、あのさ蛍くん』




穂波さんは僕の腕を掴んで背伸びをする。
キスしてって言われてるみたい。

腰をかがめて顔を、耳を、近付ける。





「…はい」

『今日もきっと自主練するんでしょう?
夕飯のあと、少しだけでいいから時間ちょうだい?』

「………」






やば、かわいいんですけど。






「…少しと言わず、はい。調理室に行けばいいんですよね」

『うん、そう。お風呂入ってからでもいいけど、朝晩涼しくなってきたし…
できたらお風呂の前がいいかなぁ』

「はい、そうします」

『うん!じゃあね。ありがとう』







…馬鹿みたいにさっきまでのもやもやが消えてく。







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