第25章 秋刀魚
…笑
お邪魔しましたって。笑
おれも邪魔したくないとか考えてたけどさ。
繋いでる手をくいっと引き寄せて
こっちに身体の傾いた穂波に口付ける。
「足りないし。邪魔じゃないし」
邪魔したくないなって我慢してた分が
堰を切ったように溢れてくる。
花火の音を聞きながら、
顔の角度を変えて、何度も口付けた。
吸い付くように、啄むように。
何回やっても慣れない。
何回やっても耐性がつかない。
穂波とのキスはいつだって気持ちいい。
安心するのに刺激的だ。
惜しむようにゆっくりと唇が離れる。
甘いリップ音が花火の音の中、小さくおれと穂波の間で鳴る
「…ん」
『…ん』
何の相槌なのかよくわかんないけど2人でそう呟いて
それからまた花火をみた。
・
・
・
「夜っ久んみてこれー」
花火が終わって帰る支度をしながら
ツトムくんが夜久くんにカメラを見せる
「うわ、すげー。どう突っ込もうかと思ってたけどそんな気失せるな」
犬岡やクロが集まっていって盛り上がってる
『いいのが撮れたのー?なになにわたしも見たい!』
穂波がツトムくんたちの方に行こうとする。
「穂波ちゃんはだめー♡その内見せてあげるー
研磨くん、それまで穂波ちゃんのこと見放さないでねー」
『…えっ それまでって えっ ええーーー』
穂波の顔にがーんって線が見える
「…笑 いや、おれが離れるとかないし。それは穂波に言ってよ」
「いや、俺にはねー、穂波ちゃんが離れるわけはないって感じなのよ。
研磨くんはもしかしたら愛想尽かしちゃうかもなーとかは、少しある」
『ツトムくんーーーーー ちょっとほんとにショックがすごいよ…』
クロ「俺も研磨と同じように思うけどな」
カズ「おれは穂波がおれのこと好きになればいいのにって思ってる」
灰羽「俺も!穂波ちゃんに好きになってもらいたい!でもそれ以上に笑ってて欲しい!」
なんかみんな思い思いに意見言ってるけど…