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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第25章 秋刀魚







研磨くんはたこ焼きを爪楊枝で一つとって
ふーふーって念入りに冷ましてる。

行動の一つ一つ、どれをとってもいちいち可愛いかったり、
かっこよかったり、色っぽかったり… ずるいなぁほんとに。






「ねぇ、穂波」

『…ん?』

「手、繋ご」







わたしの右手と研磨くんの左手が重なる。
手を繋ぎながら、たこ焼きを食べた。








「…空、綺麗」

『…ね、ほーんと。綺麗だね』








陽がだいぶ傾き、上の方に夜空が準備しているような色。
深い青と陽の色のグラデーション。








「こんなことすら思わなかった。空見て、綺麗とか」

『………』

「穂波に会って、思うようになった」

『………』

「…どうしようもないだらけた欲張り」

『…あ』

「おれそうは思わないけど、例え穂波がそうだとしても、
こうやって何も気負わずに、色んなもの一緒にみれるしやってけると思う。これからも」

『…ん』

「それがまた、すき」

『………』

「穂波、すきだよ」







そう言って研磨くんは、わたしのおでこ、瞼、それから頬に口付ける。
そうして額を合わせて目をみると…
冷静さを常にまとった、それでいて優しい優しい瞳。








『研磨くん、わたしも研磨くんのことがすき』

「…ん」








互いの唇が重なる。








一度じゃ足りない、日本ではこんな場所で節操もないって言われるかな。
でも、研磨くんといるとあっという間に2人だけの世界に行ってしまう。










もっと、とねだるように研磨くんの唇に吸い付く。
片手は繋いだまま、優しく、甘く、交わす。








…たこ焼きソースのあじ。










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