第25章 秋刀魚
ー研磨sideー
『カズくん、今卵焼き焼くからもうちょっと待ってね』
おれとカズマが一緒に降りると、
穂波がかわいい顔でカズマに言う。
隣には夜久くんがいて何かしてる。…なんか、家族っぽい。
カズマは朝はご飯と納豆って決まってるらしい。
リエーフのお土産のパンとパンに塗るいろいろ、
茹で卵、サラダ、果物盛り合わせが机の上に並んでる。
おいしそ…
特別メニューを待ってるカズマの先に食べ始める。
『はい、カズくんお待たせ』
トレーに和食の朝食セットが乗せられてカズマの前に置かれる。
味噌汁、卵焼き、納豆、青菜のおひたし、ぬか漬け、梅干し、ごはん。
…おいしそ。 いいな。 定番があるのもきっといいんだな。
穂波のならなんでもって思うけど。
熱出した時の卵うどん、良かったしな。
「穂波、おれさ、多分そのうちアメリカ行く」
『うん!行って欲しい!』
「その時、穂波も一緒に来てね」
『へ?』
「毎朝これ作って欲しい」
『へ?』
「おれ、やっぱ穂波がいいもん。いい?研磨」
「…え」
カズマって人見知りなんじゃなくって、
ただ人と付き合うのに興味ないだけなんだな、きっと。
じゃなきゃこんな、みんなの前で言わないよなこんなこと。
…ていうかおれに話振るのやめてほしい
「それは、おれが決めることじゃないけど」
「…ま、そっか。じゃあ、おれのこと好きにさせたら、それでいいってこと?」
「え。…あぁ、まぁ、そうなるけど。ていうかカズマはもうそのつもりだと思ってたし。
今更いいよそんなこと。味噌汁冷めるよ」
「…あ、うん。食べる。穂波、今日も美味しい」
『あ、うん。ありがとう。よかったぁ』
「…今日午前中スケボー行こ」
『えっ でもみんないるし』
「いいじゃん、好きに過ごせば」
…どうしたカズマ、すごいグイグイいくし。
朝、発情したから?