第25章 秋刀魚
「大人以外みんながみんな食べるって。
研磨くんとカズくんはちょっと例外だけど、他のみんなはいつでも!って感じだったよ」
『そっか。やっぱみんな早いのね。…ツトムくんありがとう。
あ、もうつまめるものつまんでる?』
「ぜひ〜」
福永くんと作った海老とスプラウトとアボカドの生春巻き、
きゅうりともやしの中華サラダ。
それから糠漬け、冷奴にキムチとごまをのせたやつをテーブルにだす。
ビールを注ぐ。
「いいなぁ〜 俺も仕事帰りにこんなご飯と晩酌があったらいいなぁ〜
研磨クン羨ましいなぁ〜 ねー?福永くん?」
ツトムくんはわざと研磨くんに聞こえるような大きな声でそう言う。
福永くんはそんな風に聞かれたら、頷くしかないよねぇ、こくこくと頷いてる。
「ツトムさんもう食べてんすか!穂波ちゃん、俺も食べていい?」
リエーフくんがツトムくんの向かいに座る。
『もちろん。どうぞお食べ。 あっ、福永くんもどうぞ?』
カトラリーや取り皿、それから冷奴は人数分もう出しておいたので、
好きなタイミングでつついてもらう。
福永くんは、ここで手伝ってくれるみたい。
大鍋でお湯を沸かしながら、
さっき包んでおいた枝豆とチーズの春巻きを油で揚げていく。
お湯が沸くと福永くんが中華麺を湯がいてくれて、
温め直した肉味噌、白髪ネギと糸唐辛子を乗せて仕上げていってくれる。
福永くんは台所でもその器用さと柔軟性と頼りになる感じが発揮されるんだなぁ。
…ほんと、研磨くんの言う通りなんでもできそう。
呼ばなくてもみんな集まってきて、
8人がけのテーブルにスツールを2脚持ってきて10人が揃って座ってる。
…なんか面白い光景。