第25章 秋刀魚
『ツトムくん、おかえり!お疲れさまぁ!』
「ひーただいまぁ!穂波ちゃんからのおかえり沁みる〜」
そう言ってツトムくんは両腕を広げる。
ぎゅうっとハグをすると、片腕でぎゅっと返してくれる。
もう片方の手は頭をぽんぽんしている。お兄ちゃんみたい。
「…あれー!穂波ちゃんその人だれー?」
リエーフくんの声がする。
「どーもー、ツトムでーす。俺たちはこーゆー関係。研磨くん公認の仲♡」
灰羽「えっ なんすかそれ、ずるくないっすか?俺も穂波ちゃんのこと好きなのに」
ツトム「おーそれはそれは、ごめん。冗談です。ってかすげースタイルいいね」
『あ、ツトムくん。紹介するね。灰羽リエーフくん。ロシアとのハーフなんだよ。
リエーフくん、ツトムくんはね、んーと、わたしにとってお兄ちゃんみたいな人だよ』
灰羽「あ、そっか!なんだよかった!灰羽リエーフです!」
ツトム「顔ちっせー」
『うん、リエーフくんもだけどツトムくんもだよ。2人とモデルみたい。
2人ともほんとに海外で活躍できると思う』
ツトム「わかるー笑 でも俺、撮る側がすきー」
『…ふふ。あ、そうだ、撮影帰り。お疲れさま。
とりあえず、そのままお庭行く?お兄ちゃんの部屋で仮眠とる?』
ツトム「庭行くー」
リエーフくんも一緒に庭の方へまわる。
やっぱり2人並ぶと迫力というか、
絵面が整いすぎてて、みんなおーって言ってた。
黙ってればかっこいい2人が並んでる、って2人を知ってるクロさんと夜久さんは笑ってた。
「みんなは泊まってくのー?」
ツトムくんがビールを飲みながらみんなに話しかける。
みんな、無言。
「…笑 夕飯食ってくの? 元々食ってくつもりじゃなくて
食ってくことにするなら早めに家に連絡入れるように」
…ツトムくんはこういうこと、いつもさらぁっと言ってくれる。
やっぱお兄ちゃん。
『うちには何も遠慮いらないからね。
いつ帰ってもいいし、帰らなくても良い。お好きにどうぞ』
一応、伝えておく。