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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第25章 秋刀魚


ー研磨sideー





犬岡と一緒に駅で降りて、
一旦家に帰ってついでに着替えてから家を出る。
おれは普通に泊まるから着替えも持って。
ていうか制服も持っていこうかな…






「犬岡、ちょっと待ってて。制服取ってくる」

「はい! …制服?」







着替えを入れたリュックを背負って、
制服をばふっとかごに入れて出発する。








「アイスいくつ買うんすか?」

「えっと…」







部員10人、穂波、周平、カズマ、親が6人。
ツトムくんが夜にくるかもって言ってた。








「20個はいる。でも、多分お金余るから買えるだけ買えばいいよ。穂波ここのアイス好きだし」

「へぇ…研磨さんって穂波さんのこと本当好きっすよね!」

「…は? 犬岡うるさい」

(あっ しまった!)
「研磨さんすみません!思ったこと喋ってました…」

「…思ったことって。 まぁでも、好きなのとか、当たり前じゃん」

「…あ、はい。そーっすよね。当たり前っすよね。
でもその当たり前ってなんか、すげー幸せで有り難い当たり前っつーか…羨ましいっす!」







…羨ましい、か。 へぇ。















店に着くと、犬岡は思っていたより落ち着いていた。
もっと穂波みたいにはしゃぐっていうか、興奮するのかと思った。
話をしてるうちに犬岡は、甘いものは嫌いじゃないけど別に甘党ではないって感じなのがわかった。



奥から髭の男性が出てきて、
前に話してた、アイスサンドをケータリングの試作で作ってるから、
それも持っていけるなら持っていってと言われて、
結局アイスを20個買って、アイスサンドを10個と季節の味のアイスの試作を3種類持たされた。
…予想外に多い。 犬岡がいてよかった。




自転車のカゴに突っ込んだのと、
あと犬岡の方のハンドルにぶら下げて穂波のうちへと向かう。
発泡スチロールの箱だから膝が当たって漕ぎにくそう。

それでも嫌な顔ひとつせず、
当たり前のことのように引き受ける犬岡はすごいな、ってちょっと思う。












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