第24章 かぼちゃ
ー穂波sideー
烏野高校のみんなを見送って、わたしたちも片付けにはいる。
一階の女子トイレを掃除してから、
わたしは前回と一緒で調理室の片付けと掃除をする。
換気扇など拭き掃除、五徳をごしごししたり、
床を入念に拭いたり、あとやっぱシンクをピカピカにする。
お湯を沸かしてじゃあとかける。
「穂波ちゃん、お疲れさま」
『あ、京治くん。お疲れさま。 …もう終わった?』
「うん、最後そこの男子トイレ掃除して俺は、終わりでいいかな」
『…ふふ。うん。わたしはあとお湯を三箇所かけて、もう一回床を拭いて終わり』
「そっか。穂波ちゃんは掃除が好きなんだね」
『好きは好きだよ。でも丁寧ではない』
「そうかな?十分丁寧に見えるけど」
『シンクをピカピカにするのは丁寧かも、それだけは。笑』
「そっか。 …あ、お湯沸いたね。 俺やるよ」
そう言って京治くんはシンクにお湯をざぁとまわしかけてくれる。
もわもわぁっと湯気が立ち上る
手のひらを突っ込んで手に水蒸気がつくのを待ってみる。
京治くんも隣で同じことをしてる。
『…ふふ。そうだ京治くん、お誕生日はいつ?』
「12月5日だよ」
『冬生まれだ、わたしも2月。大きく括ると一緒の冬生まれだね』
「そうだね。太陽の子みたいな感じがするけど2月なんだね。…でも穂波ちゃんは冬も似合う」
『太陽の子…』
「…あ、ごめん。いやだったかな?」
『ううん、嬉しい。 …2月にはさ、立春があるでしょ』
「うん」
『ああいう暦がすごくすき。二十四節句、とか特に』
「立春…」
『あぁ、立春はさ、まだまだ寒い冬にあるでしょ。冬のピーク。
でも冬のピークってことはここから冬がだんだん鳴りを潜めて、春がどんどん勢いを増すっていうか。
それがたまらなく好き。ちいちゃな春が生まれるみたいなイメージ。2月の好きなところ』
「…なるほど。おもしろい」