第24章 かぼちゃ
ー穂波sideー
突然わたしにもありがとうとか美味しかったってみんなが言い出してくれて、
頭が追いつけずに涙が溢れてきた。
潔子さんや英里さんが優しく手を添えてくれる。
雪絵さんも来てくれて、雪絵さんの白くて柔らかい身体にぎゅってしたら落ち着いた。
雪絵さんはマイペースと評されるタイプだろうか、
いい意味でいつもどこかおかまいなしな感じがあって、妙に落ち着く。
そうこうしていたら食事を終えた蛍くんが部屋を出て行く。
『あ、お皿…』
そろそろみんな食べ終わる頃か。調理室にいかなきゃ…
「穂波ちゃん、ごはんまだでしょ?食べてていいよー!皿洗いは先始めとくね」
かおりさんと真子さんがそう言ってくれて、
わたしは昼食を食べることになった。
いつも仕込みの合間に食べたりしてたからなんだかドギマギしてしまう。
トレーを持って、机の方に振り向くとクロさんが長い腕をあげて
ゆらゆらと大きく手を振ってる。
その机にはクロさんの他に夜久さん、海さんそして研磨くんがいる。
まっすぐにそっちに向かって、研磨くんの隣に座った。
クロ「もう落ち着いたんだな」
『…ん。不意打ちで。わたし合宿毎に馬鹿みたいになにかと泣いてる』
クロ「…笑 そのどれもが辛いとかじゃないんだろ?」
『…うん、お陰さまで。鉄くん…じゃなくてクロさんあのさ』
夜久「鉄くん?」
研磨「…笑」
クロ「…あー、そうそう。鉄くんって呼んでもらいたいなぁってこの間おねだりしたんだよ」
夜久「なんだよそれ、抜けがけかよ」
クロ「なんとでもいえや、でも普段はクロさんなのな、結局。今も言い直しちゃって」
『鉄くんでいいなら鉄くんって呼ぶけど。部活縛りよくわかんないから、慎重になっちゃう』
クロ「だよな、木兎は光太郎くんなのにな。まぁいいけど、クロさんで。
そう呼ぶのも穂波ちゃんくらいだし。勘違いしそうになるしな、鉄くんは。
また電話の時だけで♡」
『ふふ。じゃあまた電話でね、鉄くん♡』
夜久「なんだよそれ!」
夜久さんがやいやい言う様はかわいらしいなぁと思いながら、昼食を食べ進めた。
BBQの話を研磨くんがしてくれたみたいで日取りも決まった。
あとはみんなの都合が合うかどうかだナ