第5章 夏
ー研磨sideー
今日は午前中で部活は終わって、今は家でゲームをしてる。
穂波が宮城から帰ってくる日だ。
夕方に穂波から電話がなった
『もしもし、研磨くん』
「穂波、帰った?おかえり」
『…ん、ただいま。今家にいる?』
「うん、いるよ」
『お土産を、今日渡せたらいいなって思って。
今から持って行ってもいいかな…?』
「…え、あ、うん。いいよ。迎え行く。何時になりそう?」
『…ありがとう。んと、あの三叉路のとこまで車で行くからあと15分くらいかな…』
「ん。じゃ、あとでね」
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携帯とゲームを持って玄関に向かうと、
ちょうど母さんが帰ってきたところだった。
「鉄くんのところにでも行くの?」
「あ、いや、えっと…人を迎えに」
「………」
「…あとで、紹介する」
「……。 研磨、それって…」
母さんは何か言いかけてたけど、そのまま玄関を出た。
三叉路のとこに着くとちょうど穂波が車を見送ってるとこだった。
…よかった。ここで穂波の親に会うのとか、なんか。
「おかえり、穂波」
穂波はぎゅっと抱きついてくる。
『ただいま、研磨くん』
「…ん。海入ってきたの?」
『あれ、潮の匂いとれてない?シャワー浴びてきたんだけどナ』
「…少し、する。いい匂い。行こっか。…それ持つよ」
『あ、ありがとう。…でも研磨くんのお家へのお土産だから、わたし持ってくね?』
「…ん。わかった。…ぇと、家に母さんいる」
『あ、本当?早くご挨拶したかったから嬉しい。
こんな時間にいきなり行って大丈夫かな』
穂波は母さんに会うこと自体には身構えたりする感じがなくって、
なんかおれも、普通に紹介できるかもって気持ちになった。