第5章 夏
研磨くんて、木登りやろうと思えばすごい上手そうだナ、
そんなことを思いながら、
蔓を探してターザンをしたり、
小石を積んだりして遊んで過ごした。
・
・
・
午後は親や遊児はじめ従兄弟たちと海へ行って、スイカ割りをしたりして、
これぞ夏休みーーー!という感じを味わった。
夕飯の後、遅くならない内に
研磨くんに電話をする。
「…もしもし」
『もしもし、研磨くん。今大丈夫?』
「…ん」
『明日、練習試合、頑張ってねって伝えたくって』
「ん、ありがと。穂波は今日何してた?」
『従兄弟と山に散歩に行ったり、みんなで海に行ったりしたよ』
「…いいね。穂波っぽい」
『わたしっぽい?』
「…ん、そういうとこにいる穂波、どんな顔してるかなって。みたいなって思う」
『…研磨くん、木登りしたらすごい登れそう、って今日思ってた』
「…何それ。…木登りとかしたことないや」
『ふふ。…わたしも、そういうとこにいる研磨くんのことみたいなって思うよってこと』
「…そうだ、夏祭りの日のBBQなんだけど」
『うん?』
「夜久くんも行ってもいいかな」
『え!あ、うん。もちろん!うちの家族はウェルカムだから大丈夫だよ 笑。何か楽しいね』
「ん。…よかった」
『…じゃあ、明日、頑張ってね。遠くからだけど、想ってる』
「…ん、ありがとう。」
・
・
・
研磨くんは電話でもSkypeでも
学校でも家でも
いつも研磨くんで安心する。
……………あのときだけ、ちょっと違う。
違うのにいつも通りで、安心とドキドキが入り混じって……
思い出すと身体が熱くなってきちゃう…
お風呂。お風呂に入ろう…