第24章 かぼちゃ
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トレーがたくさん返ってきたので一旦仕込みを止めて、
仁花ちゃんとお皿を洗う。
仁花ちゃんの様子はやっぱりちょっと変。
『仁花ちゃん、大丈夫?何かあった?』
「いえ!なにもありません!」
『…そ?それならいいんだけど』
「穂波ちゃーん、ごちそうさま!ちらし寿司めっちゃウマかった!」
『あ、夕くん。ありがとう』
日向「ノヤさん!菅原さんたちが調理室入る時ノックしろって言ってたじゃないっスか!」
『…? 翔陽くん、お皿ありがと〜』
日向「あ!穂波ちゃん、今日もうまかった!ご馳走様!」
『うん、ありがとう。嬉しい。 …ノックって あ。あーそっか、そっかそっか。
ごめん仁花ちゃん、そういうことね』
仁花「いやいやいや!そんな!そんなそんな!」
『…笑』
もうこれについては触れずに、
このまま時間に解決してもらった方が良さそうだな。
途中で英里さんとかおりさんが来てくれて、
わたしと仁花ちゃんは仕込みをすることに。
とはいえ、もうそんなにないから…
『仁花ちゃん、朝食食べてきて?もうね、することそんなないんだ。
だから、そのまま練習行ってもらって大丈夫だよ。ありがとう』
「あっ はい!わかりやした! ちらし寿司ほんと美味しそうで… いただいてきます!」
仁花ちゃんの様子もわりと普通になったみたいでよかった。
とうもろこしの皮を向いていると、
研磨くんが横からにゅっと顔を出して、唇にちゅってした。
「おれも、もう行くね。お茶ご馳走さま」
『…ん』
なんどされても、不意打ちは不意打ちで、どきっとする。
それに絶対研磨くんは、確信犯だ。
照れるわたしをよそ目にさーっと調理室を後にした。