第24章 かぼちゃ
「しっ失礼しまーす!入ってもよろしいでしょうか?」
中断してた仕込みの続きに取り掛かっていると、
廊下から仁花ちゃんの声がする。
『…? はーい。大丈夫ですよー』
「あっ穂波ちゃん、こっちのヘルプに来ました!」
『うん、ありがとう。まだそんなに帰ってきてないけど、きっとそろそろだね』
「あっ、とりあえずは1人でできますんで!そちらで進めてください!」
『…? うん、わかった。いっぱい返ってきたらすぐそっち行くね』
仁花ちゃんの様子がすこぉしおかしい気がするような…
まぁよくあると言えばよくあることなような…
とにかく手を動かし続ける。
ズッキーニを切って、切って切っていく。
「ズッキーニいっぱいだね」
『うん、山本くんのおじいさんからだよ。かぼちゃとズッキーニがいっぱいあったの』
「…へぇ 何になるの?」
『多めの油で炒めてから胡麻味噌で絡めようかと。名前は…わかんない』
「…うまそ」
『ね、楽しみだね。 研磨くんお茶もう一杯飲む?』
「うん。飲む」
やかんを火にかけ、ズッキーニを炒め始める。
「穂波、ごちそうさま。先、トレー返しとく。
時間まだあるからここいてもいい?」
食べ終えた研磨くんが立ち上がりながら言う。
『うん。もちろん。研磨くんにはいつだってそばにいて欲しい』
「…ん」
仁花ちゃんのとこにトレーを持っていった研磨くんが戻ってきて、お茶を渡す。
仁花ちゃんにも、慌ただしくなる前にいっぱいどうぞと持っていった。
「あっ ありがとうごじゃいやする!」
…笑。 やっぱ仁花ちゃんなんだかいつもより気持ち、様子がおかしい気がする。