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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第24章 かぼちゃ


ー月島sideー





銭湯までの道の途中から、手を繋いで歩いた。







僕がいうのもおかしいけど、
こんなに警戒心なくて大丈夫なの?って心配になる。
なんでこんな人を放っておけるんだろう…

僕の知らない穂波さんを孤爪さんは知っていて。
あの人はきっと不安があったらこんな風にテキトーに放っとかない。
ちゃんと信頼できる何かがあるんだろう。

やばい時にはちゃんと働く動物的勘というか…
そういうのがあるのだろうか。

僕にはいまのとこチョロすぎて、他の男にもこうなのかと思うと…
って、考えが延々ループしそうになってる。
やめたやめた…







銭湯から上がって、椅子に座って待ってると
少ししてから穂波さんが上がってきた。






『りんごジュース飲みたいな、飲んでもいい?蛍くんもいる?』

「あ、僕は少しでいいから穂波さんのちょうだい」

『はーい、ちょっと待っててね』






パックのを買うのかと思ったら、
牛乳瓶に入ったりんごジュースを買ってきた。






「…そっちにしたんだね」

『初めて見た!そして瓶の自販機から初めて買った。わくわく』

「………」

『瓶だと回収して洗えるからいいよね』

「…あぁ。 …サーファーは自然とそういう傾向になるの?イメージだけど」

『サーファーだけじゃないけど、きっと海と触れ合ってる人はそうなる人多いんじゃないかな。
水が循環することとか、自然と思いを馳せるし。だから、肌に塗るものも選ぶよ。
だってそれが最終的には海に流れていくんだもん。
未来のため、他の生き物のため、地球のため…いろいろあるけど、
結局わかりやすいのは自分のためかなぁとか思ってる。
だってそこで生きてた魚を食べるんだよ?その海水からできた塩を毎日身体に取り込むんだよ?
そう考えれば、全然まわりくどくなくってわかりやすいかなぁって』

「…穂波さんが自分のためだけにやってるとは思えないけど、
そのアプローチの仕方は確かに伝わりやすいとこもありそうだね。たしかに、って思った僕も」

『…やった。蛍くんに幼稚な考えだって思われなかった!わーい』







賢いような、ただの無邪気な人なような。
ほんと、変な人。









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