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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第24章 かぼちゃ







かぼちゃを切り終えて大きな鍋で煮物を作り始めた。
そっちが落ち着くと、人参など他の野菜を細切りにして
切り干し大根の煮物も他の鍋で仕込むらしい。

頭の中にこういう奥行きのあるイメージがあるんだな。
ほんと馬鹿みたいなのに、意外と賢い。
おもしろい。






なんでもないことにようにやっていて、
見ていて心地がいい。

まな板など綺麗に洗い終えてから、僕のとなりにやってきた。







『よし、煮物が完成するまで待機』

「…なんで隣にくるわけ?」

『へ?』

「ほんっと警戒心とかないの?普通向いに座るでしょ。
男と2人で、他に大好きな彼氏がいて」

『…蛍くんだからかな?いや、蛍くんじゃなくてもかぁ。
でも蛍くんの隣に慣れすぎてしまった。心地いい』

「…答えになってない。 まぁ、いいや」

『いいならいいや』

「………。 じゃあ、質問しますね」

『お。もうなくなったかと』

「いや、正直別にしなくてもいいですよね。電話で話したりもするし」

『…ふふ。じゃあ、わたしが当てます!』

「は?」

『蛍くんの一番好きなショートケーキの中身は…』

「………」




楽しそうな顔で考えるふりみたいな動作してる。
上を見上げて、顎に手を添えて。





『いちご!』

「…はい」

『わーい!』

「それ嬉しい?いちごって王道中の王道」

『うん、やっぱあの甘酸っぱさがクリームと絶妙に合うよね。ダントツだよね。
でもさ、桃とメロンのショートケーキ食べたことある?』

「桃とメロンか…一緒に入ってるの?」

『うん。別々でもそりゃもちろんだけど、できたら一緒に』

「…一緒にはないかな」

『ほんと?じゃあ、楽しみが増えたね。きっと次見つけたらすぐ買っちゃうよ。おいしい』

「………」




ほんっとなんでいちいちそんなかわいい顔で話すんだろ。





「食べるの好きなんだね」

『へ?あ、うん。食べるのすき。
食べたものが身体になってくなんて当たり前すぎるけど、すごいわくわくする』

「………」

『you’re what you eat』

「………」

『eatだけじゃないと思うんだけどね、read とか see とか touch とか…
でもeatはやっぱ感覚頼りじゃないから説得力が違うよね』









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