第24章 かぼちゃ
ー赤葦sideー
木兎さんのスパイク練に付き合って、
それから夕飯を食べに行く。
今回もレッスンで抜けると言っていた。
夕方、気付くともう穂波ちゃんはいなくって、
でも穂波ちゃんの作った夕飯があって。
これはなんというか、すこし想像を膨らませるとなかなかのもの。
相変わらずとても美味しいご飯だった。
明日の朝はなんだろう。
ここに来るのが楽しみになるような食事を作れるのはすごいことだと思う。
家に帰るのが楽しみになるような…
黒尾さんは音駒のメンバーのいた席に向かって、
俺は木兎さん、日向、灰羽の4人で食べたので、
黒尾さんのいる席もずいぶん話が盛り上がっていたようだったが、
こっちもこっちでよく喋る賑やかな3人がいたため話の内容まではわからなかった。
穂波ちゃんはもう、調理室にいるのだろうか。
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夕飯を食べ終え、トレーを持っていくと
調理室には穂波ちゃんだけがいた。
日向「穂波ちゃんごちそうさまー!今日もすっげーうまかった!」
灰羽「穂波ちゃんごちそうさまー!今日もすっげーうまかった!」
日向「あっリエーフ!真似したな!」
灰羽「いや、真似したのは翔陽だろ!」
『ふふ。はーい、お皿ありがとう。自主練お疲れさまぁ』
優しい目をして笑う。
木兎「穂波ちゃん、ご馳走様!今日はひとり?」
『光太郎くん、お皿ありがとう。みんなにはお風呂行ってもらったよ。
配膳のとこにまだかおりさんがいる…はず。ね?』
赤葦「うん、雀田さんいたよ。机拭いたりしてた」
『だよね、かおりさんにももう上がってもらおうっと』
赤葦「穂波ちゃん、ご馳走さま。おいしかったよ」
『あ、うん!嬉しい。ありがとう。京治くん、お疲れさま』
練習後に好きな人のご飯が食べれて、
笑顔が見れて、お疲れさまと労ってもらえる。
ただそれだけのことなようでいて、
ものすごく大きなことだなと思う。