第24章 かぼちゃ
ー月島sideー
木兎さんや黒尾さんとの自主練を終えて夕飯を食べにいくと、
黒尾さんは音駒の3年や2年のモヒカンの人のいる席にいた。
黒尾さん以外の3人はもう食べ終わっているのだけど、ずいぶん話が盛り上がってるようだった。
自主練後で人が少ないので聞かずとも話は聞こえてくる。
黒尾「やっぱカズくんが唯一無二のライバルだな」
海「俺は会話もしてないし、カズくんも研磨と同じような感じでそんな喋らないから、
ほんとにただ見てただけだけど… 言ってる意味は十分わかる」
夜久「だろ!他にも寄ってくる男はいるけど、カズくんはやっぱ桁違いっつーか」
黒尾「カズくんのことほんと好きだしな、穂波ちゃん」
…穂波さん?
は?今までの話穂波さん絡みなわけ?
カズくんって誰よ。 ライバルって…
夜久「なんか言うこととかもさ、研磨とかぶるとこあるし。
Sっ気もだし、でももうちょっと恥じらいがないというか。
研磨も穂波ちゃんのことになると大概だけどさー なんつーの?」
海「あぁ…たしかに。なんて言ってたかな。
会いたくても会えないってやっぱつのるね。会える時間もっと大事にしようって思った。
…だったかな。 初見でいうのもなんだけど、決して素直な子とは言われなさそうなのに、
口から出る言葉はすごく素直な感じも、研磨と似たとこがあるな」
黒尾「穂波ちゃん慌ててた? 俺、最近慌てる穂波ちゃんツボ」
慌てる穂波さんは、僕にとってもツボだ。
かわいいんだよな… 慌てても煩くないし。
夜久「そりゃな、不意打ちでキスしてくるんだもん。ちょー吃ってたよ」
山本「夜で暗くても顔真っ赤にして頭から煙出してるの分かったっす。
あのカズマってやつぱねぇっすね。 なんか、色気すら感じるっつーか」
はぁ!?キス?
…って僕が言えたことじゃないけど、人前で?
ってかほんと誰、カズマって。
…ちょっと、聞き耳立てて馬鹿みたいだけど、すごい気になる。
それ以上、新しい情報は特になく、
話はどんどん他の話題に流れて行っているようだった。