第24章 かぼちゃ
ー穂波sideー
19:30にレッスンを終えて、
生徒さんや親御さんとお話しして結局また少し遅くなってしまった。
20時前に外に出ると、周平とカズくんがいた。
『へっ?なんで?』
カズ「ほら、やっぱ携帯みてない」
『あ、うん。今からクロさんに連絡入れる』
周平「BBQ穂波がいないとカズマがつまんなそうで、つまんなそうで…
見兼ねてツトムくんが、前回の合宿、夜道送ったよーって言ったらカズマが行くって言い出して。
流しながら来たってわけ」
カズ「別に、おれ一人でよかったんだけど」
周平「まぁ、大丈夫だろうけどさ、いろいろあって俺も着いてくることになった」
『…そっか。ありがとう。嬉しい。 …それから、2人ともおかえり!
長期滞在だったね、2人とも。 …どうだった?』
カズくんのカリフォルニア話、周平のNZ話を聞きながら歩いて、
途中からカズくんのスケボーにわたしが乗ることに。
「1ヶ月半も穂波に会えなかったし、スケボーも一緒にできなかったし」
とのことで、手を繋いでゆっくり乗った。
…うぅ、カズくんのかわいさとかっこよさは
正直ズルイし普通にどストライクでこれからが怖い。
校門に近づいてきたとこで、
ちょうど銭湯へと向かう研磨くんたちに遭遇した。
周平が相変わらずの調子でいろいろ話を進めて
また遊ぼうとか集まろうとか俺ん家にもこい、とかいろいろ言ってた。
研磨くんがそんな風に誘われてるのを見るのは
周平といるときくらいしかないからおもしろい。
カズくんはまたちょっと違う感じだし。
翔陽くんが東京にいたらそんな感じかな。
「あ、研磨これあげる」
そう、わたしは気付いていた。けども言わずにいた。
カズくんの後ろポッケには小さなりんご飴が刺さっていたんだ。
姫りんごなのかな?小さいやつ。
「前、穂波が言ってたから。りんご好きだって。
でもでっかい方は流石にポッケに入れれないし。小さいやつ」
「あ、ありがと」
なにこのかわいい2人のやりとり!
思わず犬岡くんの方に目をやると、同じことを思っているという感じで目が合った。
うんうん。やっぱ犬岡くんもそう思うよね、と心の中で語りかける。