第23章 high
ー研磨sideー
アイスは穂波が塩レモンと桃、
おれが巨峰とシークワーサー。
暑い中移動したので2人ともさっぱりしたのにした。
「このままスクープしてサーブするものだけに集中するか、
イタリアでは定番になってるクッキーサンドとか棒付きとか…
あと夏はグラニタってかき氷みたいな飲み物みたいなのも展開してこうか、
ちょっと考えてるんだけど、どう思う?」
店の奥からオーナーかな、男の人が出てきて相談された。
『わぁ、それは悩むなぁ…』
「………」
『研磨くんはどう思う?』
「うーん…」
『悩むね。でも…』
「うん、そんないろいろ手は出さない方がおれはすき…かも」
『…グラニタはいいなぁと思います。
あ、もちろんクッキーサンドとかも食べてみたいけど、でも今のままで十分好きです。
クリスマスとかそういう時だけ、っていうのもいいかも…?でもグラニタは飲みたい』
「…笑」
『あ、研磨くん笑ったな』
「グラニタすごい推す 笑」
『うん。だって、惹かれるんだもん』
「…笑」
「いつも店番の子が、かわいらしいカップルが来てくれるんだと話してくれていて。
やっと話が出来て嬉しい。ほんとに可愛らしい2人だね。きっと長く続くよ、君たち。
長くっていうか…ずっと? 僕、結構そういうのわかっちゃうんだ」
わりと体格のいいその男の人は、
笑いながらそんなことを言った。
それからおれの家に行って、
穂波はそのままスケボーを自転車のかごに入れて帰って行った。
今日も泊まりたいっていったけど、
明日はおれより穂波は早く行くつもりだから、とか
まぁそんな感じの理由で嗜められた。
翔陽たちは今日の夜中に出発するらしい。