第23章 high
…何度かライブには行ってて、最高。
仙台とか、地方でのライブとか逆に唆られる。
…けども、これってどうなの?
例えば研磨くんがライブ…じゃなくて、ゲームのイベントとか?
蛍くんの女の子バージョンみたいな子と一緒に行くって言ったら…
外見じゃなくって、中身というか、一緒にいて楽しいっていう意味で…
んー………
別にいや!じゃないけど、これって多分わたしはきっとマイノリティであって…
「…ずいぶん考え込むね。昨日兄貴から仙台に来るって聞いたから。今の流れで思いついただけ」
『…そっか。土曜?日曜?』
「日曜だから、泊まりになるよね。無理か」
『…多少の遅刻はオーケーなんだけど』
「いや、オーケーじゃないでしょ。笑」
『卒業できればその辺はいいかなぁって思っちゃう。部活入ってないし。
ある程度自由にするために成績は落とさないし』
「…なるほど」
『けど、行けるかはわかんないなぁ。でも、さ。
逆に関東に来れたらそっちに一緒に行くのもいいかもね』
「…逆に誘っちゃって大丈夫なの?笑」
『へっ あっ そっか』
「いいね、その内そっちに行かせてもらおうかな。泊まりで」
『うん、そうだね。うちの家は基本ウェルカムだから、その辺は心配しないで。旅費も浮くし』
「いやいや、そこ心配するとこでしょ。ほんと、馬鹿じゃない?
穂波さんが僕の彼女で、他の男にそんなこと言ってたら僕キレるよ」
『あ、そっか、ごめん』
「…まぁ、そんなあなたを好きになったから許せちゃうんだろうけど」
『なっ 何を言ってるの蛍くん。 …どうやって仲直りするかな、蛍くんは』
「…やっぱめちゃめちゃにするんじゃない?」
『めちゃめちゃ…?』
「はい?」
『めちゃめちゃにするの?』
「…僕にめちゃめちゃにされたいですか?」
『あ、それは… うん。 …え? ちょっと…』
「…笑 あー、おもしろ」
『……….仙台の日、チケットとる前に一応日にち教えて?ちゃんと考えて、予定も見て返事する』
「あ、諦めてないんだ。 うん、わかった。 じゃ、今日はここで」
『うん、蛍くんと好きなバンドが一緒だったなんて大きな収穫』
「………」
『じゃあ、またね』
「うん、じゃ」
蛍くんとはどうしてこんなに仲良くなったんだろ。
縁って不思議だな…