第23章 high
ー穂波sideー
タヒチに着いてからも
ちょこちょこと蛍くんからラインが入る。
結構まめなんだな、わたしとは大違い。
研磨くんもこういう頻度のやり取りはしないから、ちょっと新鮮。
【-19時間って、+5−1日でいいの?僕が朝電話したらそっちは昼?】
【うん、大正解◎】
【じゃあ、明日の朝電話するから。出れたら出てね】
かわいい。
正直、とてもかわいい。
よーしよしよし、ってしたくなる。
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翌日。
お兄ちゃんの大会を観にビーチにいるときにライン通話の通知が鳴った。
『はーい、もしもし』
「あ、穂波さん。あれ、そういえば通信ってどうなってるの」
『あはは、いきなり。現地でsimカード買ってるからお気になさらず』
「そっか、慣れてるね」
『まぁ、慣れざるを得ない。今ビーチにいるよ。蛍くんはこれから部活かな?』
「うん。今朝食食べ終えたとこ」
『…あれ、今日ってー… ん?あれ?こっちが10日ってことは…』
「そう。今日一次予選」
『ひゃあ!蛍くん、いつも通りだね。全然分からなくなってた、ごめんね』
「別に、それはいいんだけど。昨日兄貴が帰ってきて」
『…あぁ、お盆?』
「うん。久々に話した」
『…久々?』
「まぁ、いろいろっていうか、まぁちょっとあって。それは今はいいんだけど。
顔つきが変わったのはバレー以外のことも関係してそうだって言われた」
『…へぇ、明光くん。蛍くんのお兄さん、会ってみたい』
「あ、ほんと?兄貴も穂波さんに会ってみたいって」
『あ、そっか… って、え?なんでわたし?』
「好きな人できたって。話した」
『…ひゃっ』
「…笑 ひゃっ って…」
『………』
「あれ、僕言ってませんでしたっけ?」
『…ん?』
「僕、穂波さんのことが好きです」
『ひゃっ』
「…笑 聞こえませんでした?」
『いえ、聞こえてます。そして、以前お聞きしました…』