第23章 high
…途方もないだらけた欲張り。
時々おもしろい言葉のチョイスするんだよな。
失礼な変人、とか。
穂波は自己肯定感はちゃんとあると思う。
でも過信や自意識過剰とは程遠いところにいるな、って思う。
おれといる時はまぁ、一緒にゆっくりする時が多いけど、
そうじゃないときは、ダンスにヨガにスケボーにサーフィンに…
家でも洗濯や料理、掃除も親に任せずいろいろやってて、
おれの思うだらけた、とは全然違う。
穂波のだらだらは、心地が良い。
皺寄せがない、というか。
だらだらして、またさくっと次に行ける。
穂波の持つ魔法みたいな、技みたいなもの。
そういえば、タヒチにいる穂波と電話をしていたときこんな話になった。
日本が夜の時は向こうは前日の深夜とかだから、こっちが朝〜昼頃にしか電話できない。
部活もあるし、ほんとに限られた時間帯だ。
『そうだ、蛍くんがね、電話で話しましょうって言うのね。それはどうなのかな?』
「…え、それおれに聞くの。 …んー、どっちでも良いんじゃない電話くらい。
穂波がいやならやめればいいし、話したいなら話せばいいと思う」
『そっか。あんまりさ、こうやって連絡先交換したことなかったからわかんなくて』
「…それは、おれもだけど。話すの楽しいなら話せばいいよ」
『うん、わかった』
月島は結構いろいろやってくるなー
危機感とかは不思議なほどないけど、
ちょっとめんどくさいというか、あーって感じ。
赤葦もか。
その点木兎さんやリエーフや遊児は奇想天外だけど、
逆にあっけらかんとしてるって言うか、ややこしくはない。
…変なの。