第23章 high
ー穂波sideー
それからもう30分くらい、
ヨガをしながらクロさんと電話をした。
好きなのか?みたいな感じはよくわかる。
だって実際好きは好きだし。
じゃないと、例えばこんな風に自分の時間に電話を続けようとは思わない。
でも確かに何かが違う。
なんだろな…
研磨くんとの電話は、嬉しい安心するだけじゃなくって、
それと同じくらい会いたくて会いたくて仕方なくなる。
触れたい。隣にいたい。
そこが大きな違いなのかな、よくわかんない。
すやすやと寝ている研磨くんのところへ戻る。
額に手を当ててみると大分、下がってるようだった。
それでも明日は、ゆっくり休む日になった。
レッスンのあと、一緒にゆっくりできる。
…嬉しいな。
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目を覚ますと、隣の研磨くんはもう起きていてぴこぴことゲームをしていた。
起きたことを悟られないように動かずにそのまましばらく眺める。
伏せた睫毛、琥珀色の綺麗な瞳、金色のサラサラの髪。
綺麗な色した形のいい薄めの唇。
はぁ…見た目じゃないにしても見た目だけでも完璧。
身体の相性じゃないにしてもそれだけでも完璧。
研磨くんの顔が少しだけこちらに傾き目がぱちっと合う。
「あ、起きてる。おはよ、穂波」
『…ん。おはよう、研磨くん。熱、はかった?』
「…ん。ほぼない。 …部活行かないとかな」
『昨日、クロさんから電話があって今日は休んで明日から来てって』
「…ん。 やった。 穂波は午前中レッスン?」
『うん。行ってくるから研磨くん、好きに過ごしてね』
「…ん」
軽めの朝食を食べて、レッスンに行って。家に帰ると研磨くんがいて。
暑い時間は家でごろごろしたりして、夕方涼しくなってから散歩したり。
すごくいい時間を過ごした。
タヒチに行くまでにたっぷり研磨くんを充電した感じ。