第23章 high
クロが出てってから
おれは布団に寝転がってゲームを続けて、
穂波はおれにくっついてごろごろしてる。
『…研磨くんのおうちにお泊まり、初めて。嬉しい』
「…あ、しまった」
『…ん?』
「ま、いいや。 あー。 うん、まぁいいや」
ゴム買いに行きそびれた。
今からコンビニ行くのもなー
「穂波、明日いつ頃帰るとかある?」
『予定は夕方までないけど、洗濯したいし午前中に帰ろうかなぁ』
「…ん。おれは泊まりに行っていいの?」
『へ?あ、うん。もちろん。でも、無理しちゃだめだよ』
「うん、おれは無理しないから大丈夫。穂波ん家にいて無理することひとつもない」
『…ふふ。薪割りとかそのうち任されたりして… 笑』
穂波がニヤリと笑う。
「…あー………」
『…ふふ。きっとないよ、大丈夫。うち薪割りの機械もあるし。
なかなか仕事があるから斧だけではね、間に合わない。お兄ちゃんもいないし。
けど薪割りって気持ちいいんだよ、結構。今度一緒にやろ』
「………」
『一回お試しでやるくらいやってみると、なんかまた冒険フィールドが広がると思うな。
力づくでやるんじゃなくて、上手いこと斧の重さを利用するんだよ。お餅つきと一緒』
「…へぇ、ちょっとやってみたいかも」
『芯とかに当てるとバイーーーンってなって、じーーーんってなるけど』
「バイーンってなってじーん…」
最後は大体よくわかんない擬音語になる。
…冒険フィールドの拡張はいい。レベル上げ。