第23章 high
「おいおい、またおっぱじめる気だったのかよ。しかも穂波ちゃんが上」
『あぁっと、これにはわけがっ』
研磨「…笑」
クロ「そんな、別に俺尋問してるわけじゃねーし。笑」
『そっ そうだっ えと、わたし、下に行くんだった。
あれ?下に行くんだったよね?』
研磨「…笑 そうだったっけ?上じゃなかったっけ?」
『…あ、上か。上だったか。 …ん?あれ?上なんてあるの?』
研磨「いや、ないけど」
クロ「…笑」
『………?』
研磨「トイレ行って、母さんに挨拶してくるって言ってたけど」
『あっ、そうだ、そうなのクロさん。ちょっと行ってくるね』
クロ「お、おぉ」
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クロ「なんか、慌てるとあんな風になんだな」
研磨「…だね。あんな慌ててるの初めて見た。 …でもうるさくないんだよね」
クロ「あぁ、まぁ。確かに」
研磨「ていうか誘導するの簡単そうだよね、ああ言う風になってると」
クロ「…誘導」
研磨「でも、きっと大丈夫なんだよね。ほんとにやばいことは多分、ちゃんとよけれる」
クロ「…ふぅん」
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『研磨くん、クロさん、ご飯できたよ〜』
結局、作るの手伝ってたんだろう
下に行って帰ってこなかった穂波が呼びに来る。
クロも父さんも一緒に5人で夕飯を食べた。
父さんがクロに高校卒業後の話を聞いて、
おれは知ってたけど穂波は初耳だったみたいで、
目をきらきらさせて聞いてた。
クロは日本バレーボール協会で働きたいと思ってる。
でも、毎年求人してるような場所じゃない。
語学力もあるといい。最近の採用された人はみんな大卒。
そしてそこそこ名の知れた学校ばかり。
自ずと、進学の道を選ぶことになる。
…クロはもともと進学希望じゃなかった。
この話を聞いたとき、その元々の希望を変えるほどバレーが好きなんだな、と思ったのを覚えてる。
…ていうか、バレーボール協会で働くことがクロの希望することってことか。
…どっちにしろ、バレーがほんと好きだよな。って思う。
今に始まったことじゃないけど。