第23章 high
『あれぇ…?』
ブラが、見つからない。
研磨くんは素知らぬ顔でゲームしてる。
いつも通りだと思ってたけど、なんか …怪しい。
『…研磨くん、ちょっと一回寝返りうってくれる?』
「…うん、いいけど」
『あれ、なかった』
「………」
ま、いっか。合宿帰りだから替えはある。
鞄に取りに行こうとすると、
また腕をくいって引っ張られてベッドに倒れ込む
「探すの諦めるの早い」
唇が重なって啄むように何度か口付ける。
今日、研磨くんがいつもよりキスをするのが多いのは、
電車の中で話したことが関係してるんだろうな。
本当、気をつけないと。
馬鹿だ、わたし。
背中に腕を回して、脚も絡めてもっともっととキスをする。
自ずと身体がくねくね動いて、脚も動く。
研磨くんの肌のいろんなとこに触れたい。
ーコンコンッー
「 ! 」
『 ! 』
ドアがノックされた。
ばさぁっと2人の身体が離れて、
研磨くんはうつ伏せになってゲームを手に持つ。
わたしはっ えーっと 下着つけてないし…
「…ふっ 笑 ちょっと、判断が遅いって。笑 寝たフリして」
小声で研磨くんが囁き、
タオルケットを無造作風にかけてドアに背を向ける
ーコンコンッー
「…はーい ごめんイヤホンしてて……」
すっごい巧みに嘘つくのね、研磨くん…
ーガチャー
ドアが開く音がする。