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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり




頭の中が真っ白になる。


髪の毛を梳かしていた手は、私の頬に触れた。


私の頬に手を添えたまま何もしない。


『(どうしたんだろう…)』


そう思いながら堪える。


すると、ハンターがくくっと笑った。


え?と思っていると


「狸寝入りとは可愛らしいですね。さん」


と言った。


私は血の気が引くのを感じた。


起きていたの、バレてたの?


いつの間にか手は無くなっていた。


ゆっくりと目を開けて起き上がった。


「気付かないと思っていましたか?」


ハンターの言う通り、気付かれているとは思っていなかった。


私はキッ…とハンターを睨みつけた。


『私に、何か用ですか……』


震える声でハンターに聞いた。


「いいえ。ただ、心配になって来たんです」


ハンターの言葉に私は息を飲んだ。
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