第2章 始まり
頭の中が真っ白になる。
髪の毛を梳かしていた手は、私の頬に触れた。
私の頬に手を添えたまま何もしない。
『(どうしたんだろう…)』
そう思いながら堪える。
すると、ハンターがくくっと笑った。
え?と思っていると
「狸寝入りとは可愛らしいですね。さん」
と言った。
私は血の気が引くのを感じた。
起きていたの、バレてたの?
いつの間にか手は無くなっていた。
ゆっくりと目を開けて起き上がった。
「気付かないと思っていましたか?」
ハンターの言う通り、気付かれているとは思っていなかった。
私はキッ…とハンターを睨みつけた。
『私に、何か用ですか……』
震える声でハンターに聞いた。
「いいえ。ただ、心配になって来たんです」
ハンターの言葉に私は息を飲んだ。