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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



もぞ…、と布団から顔を出す。


でも決して目を開けない。


「可愛い寝顔ですね」


そんな声がして、私は驚いた。


『(嘘でしょ……?!)』


ハンターが立ち去る足音だと思っていたけど、そうじゃなかった。


部屋から出たのはアンドルーさんの方だった。


「どんな夢を見ているんでしょうか……ねえ、さん」


まさか、起きてるのバレてる?


そんなことない、よね?


どうしよう、怖くなってきた。


ドクドクと心臓がうるさい。


──バレたらどうなるんだろう、殺されるのかな?


──でもゲーム中じゃないから殺されないよね?


息を殺しながら、ぐるぐると落ち着かない頭で考える。


すると、ハンターが私の髪に触れた。


『……!!』


そして私の髪を掬って、手で梳いた。


私はあまりの出来事に身震いする。






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