第2章 始まり
もぞ…、と布団から顔を出す。
でも決して目を開けない。
「可愛い寝顔ですね」
そんな声がして、私は驚いた。
『(嘘でしょ……?!)』
ハンターが立ち去る足音だと思っていたけど、そうじゃなかった。
部屋から出たのはアンドルーさんの方だった。
「どんな夢を見ているんでしょうか……ねえ、さん」
まさか、起きてるのバレてる?
そんなことない、よね?
どうしよう、怖くなってきた。
ドクドクと心臓がうるさい。
──バレたらどうなるんだろう、殺されるのかな?
──でもゲーム中じゃないから殺されないよね?
息を殺しながら、ぐるぐると落ち着かない頭で考える。
すると、ハンターが私の髪に触れた。
『……!!』
そして私の髪を掬って、手で梳いた。
私はあまりの出来事に身震いする。