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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



自分から言ったことのに、すごく恥ずかしい。


アンドルーさんは椅子に座って、じー…と私を見ている。


そんなに見つめられると、ドキドキしてしまう。


──寝よう。


私は掛け布団を深くかぶって顔が見えないようにした。


それから、少しするとアンドルーさんが立ち上がる音がした。もう行っちゃうのか……、と思って少しだけ寂しく感じた。


「あ……」


アンドルーさんが呟いた。


どうしたんだろう、と思って耳をすますと誰かの足音がする。


「さん、いますか?」


その声に、ハッとした。


──この声……


「い、いま、寝ている。起こさないでくれよ。」


そうアンドルーさんが言ってくれる。


見なくても分かる。この声はあのハンターだ。


寝ているふりしよう、そう思ってギュッと目を閉じる。


隠れているつもりはないけど、何故か息を止めてしまう。


起きてること、気づかけたくないからかもしれない。


早くいなくなって欲しい、そう強く願う。


「ああ、寝ているんですか…それなら仕方ないですね」


分かりました、と言ってハンターの立ち去る足音がした。


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