第2章 始まり
自分から言ったことのに、すごく恥ずかしい。
アンドルーさんは椅子に座って、じー…と私を見ている。
そんなに見つめられると、ドキドキしてしまう。
──寝よう。
私は掛け布団を深くかぶって顔が見えないようにした。
それから、少しするとアンドルーさんが立ち上がる音がした。もう行っちゃうのか……、と思って少しだけ寂しく感じた。
「あ……」
アンドルーさんが呟いた。
どうしたんだろう、と思って耳をすますと誰かの足音がする。
「さん、いますか?」
その声に、ハッとした。
──この声……
「い、いま、寝ている。起こさないでくれよ。」
そうアンドルーさんが言ってくれる。
見なくても分かる。この声はあのハンターだ。
寝ているふりしよう、そう思ってギュッと目を閉じる。
隠れているつもりはないけど、何故か息を止めてしまう。
起きてること、気づかけたくないからかもしれない。
早くいなくなって欲しい、そう強く願う。
「ああ、寝ているんですか…それなら仕方ないですね」
分かりました、と言ってハンターの立ち去る足音がした。