第2章 始まり
『あ、いや…なんでも、ないです……』
自分が何を言っているか理解した。
恥ずかしい。
それに顔が綺麗だから見とれていただなんて、男の人が言われても嬉しくてないだろう。
「……それよりエミリー先生は?」
『あ、用事があるって言ってました』
さっき治療室で起きた時エミリー先生に言われた事を思い出した。
「そうか…」
ポツンと立ってい私にアンドルーさんが「早くベッドに横になれ」と言ってベッドの方に連れていかれた。
とりあえず私はベッドに座る。
「食堂、行ってくる」
そう言ってアンドルーさんは行こうとドアに向かう。
『ま、待ってっ…』
ドアに向かおうとした彼に声をかけた。
『その…傍に、いてくれませんか……ひとりじゃ、不安で…』
振り返った彼に傍にいて欲しいと頼んだ。
自分が何を言っているか分かっているけど、今日来たばっかりだから1人は寂しい。
それに初試合であんなことがあったし。
アンドルーさんには申し訳ないけど、傍にいてくれたら不安な気持ちが少し無くなると思う。
ちらっ、とアンドルーさんの顔を見るとまた顔が赤い。
自分もきっと顔が赤い。顔に熱があるのが分かる。
「……」
『……』
お互い恥ずかしがって顔が赤いまま黙る。
「べ、別に…かま、構わないが……」
先に沈黙を破ったのはアンドルーさんの方で、彼はたどたどしく言った。