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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



『あ、いや…なんでも、ないです……』


自分が何を言っているか理解した。


恥ずかしい。


それに顔が綺麗だから見とれていただなんて、男の人が言われても嬉しくてないだろう。


「……それよりエミリー先生は?」


『あ、用事があるって言ってました』


さっき治療室で起きた時エミリー先生に言われた事を思い出した。


「そうか…」


ポツンと立ってい私にアンドルーさんが「早くベッドに横になれ」と言ってベッドの方に連れていかれた。


とりあえず私はベッドに座る。


「食堂、行ってくる」


そう言ってアンドルーさんは行こうとドアに向かう。


『ま、待ってっ…』


ドアに向かおうとした彼に声をかけた。


『その…傍に、いてくれませんか……ひとりじゃ、不安で…』


振り返った彼に傍にいて欲しいと頼んだ。


自分が何を言っているか分かっているけど、今日来たばっかりだから1人は寂しい。


それに初試合であんなことがあったし。


アンドルーさんには申し訳ないけど、傍にいてくれたら不安な気持ちが少し無くなると思う。


ちらっ、とアンドルーさんの顔を見るとまた顔が赤い。


自分もきっと顔が赤い。顔に熱があるのが分かる。


「……」


『……』


お互い恥ずかしがって顔が赤いまま黙る。


「べ、別に…かま、構わないが……」


先に沈黙を破ったのはアンドルーさんの方で、彼はたどたどしく言った。
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