第2章 始まり
抱えられたままアンドルーさんの顔を見る。
彼の肌は白くて、まだ顔が赤いのがわかる。
というか分かりやすい。
本当に綺麗な顔だな……
と、彼の顔を眺めている間に診察室に着いていた。
「エミリー先生いるか?」
私を横抱きにしたままエミリーさんを探す。
私は今更すぎるけど、この状況に気づいた。
一気に顔が熱くなるのが分かる。
『えっ、アンドルーさん、下ろさないんですかっ?!』
そう言うと、さらに彼の顔は赤くなった。
彼は手を離して、私はドサッと尻もちを着いた。
雑な下ろし方ではなかったけど、いてて……と痛がっていると、アンドルーさんは「何故早く言わない!」と凄い剣幕で言う。
『顔、見てて…』
「はっ……?」
私は正直に答える。
アンドルーさんは素っ頓狂な声を出してぽかーんと口を開けた。