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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



抱えられたままアンドルーさんの顔を見る。


彼の肌は白くて、まだ顔が赤いのがわかる。


というか分かりやすい。


本当に綺麗な顔だな……


と、彼の顔を眺めている間に診察室に着いていた。


「エミリー先生いるか?」


私を横抱きにしたままエミリーさんを探す。


私は今更すぎるけど、この状況に気づいた。


一気に顔が熱くなるのが分かる。


『えっ、アンドルーさん、下ろさないんですかっ?!』


そう言うと、さらに彼の顔は赤くなった。


彼は手を離して、私はドサッと尻もちを着いた。


雑な下ろし方ではなかったけど、いてて……と痛がっていると、アンドルーさんは「何故早く言わない!」と凄い剣幕で言う。


『顔、見てて…』


「はっ……?」


私は正直に答える。


アンドルーさんは素っ頓狂な声を出してぽかーんと口を開けた。





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