第2章 始まり
「どうしても言いたかったら、僕が代わりに言いに行くが……本当に大丈夫か?診察室に行った方がいい」
アンドルーさんは心配そうに言う。
『力、入らなくて……』
歩く気力もなくて、診察室に歩いては行けない。
「せ、背中に乗るか?いや、横抱きの方がいいか…?」
また悩んでいるアンドルーさんを私は見つめる。
じー、と見ているとアンドルーさんが気づく。
「べっ、別に心配とかしていないからな!試合に支障が出ると困るからで!」
そう言われて戸惑ったけど、アンドルーさんの顔が少し赤い。
『顔、赤い……』
ぽつりとそういうと、さらに彼の顔は赤くなった。
「そっ、そそそんなことない!いいから早く診察室に行くぞ!」
そう言っているけど、酷く動揺しているように見えるのは気のせいかな。
『あ…っ』
グイッ、と手を引っ張られてすぐに横抱きにされた。