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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



「どうしても言いたかったら、僕が代わりに言いに行くが……本当に大丈夫か?診察室に行った方がいい」


アンドルーさんは心配そうに言う。


『力、入らなくて……』


歩く気力もなくて、診察室に歩いては行けない。


「せ、背中に乗るか?いや、横抱きの方がいいか…?」


また悩んでいるアンドルーさんを私は見つめる。


じー、と見ているとアンドルーさんが気づく。


「べっ、別に心配とかしていないからな!試合に支障が出ると困るからで!」


そう言われて戸惑ったけど、アンドルーさんの顔が少し赤い。


『顔、赤い……』


ぽつりとそういうと、さらに彼の顔は赤くなった。


「そっ、そそそんなことない!いいから早く診察室に行くぞ!」


そう言っているけど、酷く動揺しているように見えるのは気のせいかな。


『あ…っ』


グイッ、と手を引っ張られてすぐに横抱きにされた。


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