• テキストサイズ

Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



トイレから出て、廊下を歩いていると急に気分が悪くなった。


食堂に戻らず、その場に蹲った。


頭も痛いかも……。


このまま部屋に行って休みたいけど、部屋の行き方が分からない。


今のところ話しやすいウィラさんに聞きたいけど、歩いて行けそうにない。


頭の痛みが治まれば、聞こう。と思って、まだその場に蹲る。


何分経ったのか分からないけど、誰かに声をかけられた。


「おい、大丈夫か?」


顔をあげると、さっきあったアンドルーさんだった。


『あ、えっと……』


「顔色悪いじゃないか」


自分の部屋わかるか、と言ってアンドルーさんは手を差し伸べる。


いや、でも、診察室の方が……とも言って悩んでいる。


『食堂…行かないと…』


「食堂?具合悪そうだから休んだ方がいい」


『でも、ウィラさんに……』


ウィラさんに話さないと。


話さないで帰るなんてダメだろう。と思っている。


「ウィラ……?調香師か?」


私はアンドルーさんの言葉に頷く。


『トランプしている最中に、トイレに行ったんです……だから、何も言わないで、帰るなんて…ウィラさん、怒るかも…』


「そんなことで怒る人じゃないだろう」


/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp