第2章 始まり
10分くらいすると、エミリーさんが来た。
エミリーさんは私より重症だったのか、ガーゼと包帯が巻かれていた。
「体調はどうかしら?」
『あ…』
「倒れたって聞いて、心配したわ。ごめんなさい、先に飛んでしまって…」
『あ、いえ…全然…大丈夫、です』
「本当?無理しないでね。なんせ、死神相手だったもの」
『死神…?』
「ちゃんがさっき試合をしたハンターよ、リッパーって言うけれど」
リッパー……
リッパーって言うんだ。
さっき名前聞けなかったから、名前聞けてよかった。
全然嬉しくは無いけど……
「ここに運んできたのもリッパーなの。びっくりしちゃったわ」
『えっ……』
私も驚いた。
「そろそろ夕食の時間なんだけど、来れるかしら?無理なら持って来るよう頼むけれど……」
もう、そんな時間なんだ…
『…食べに行けます』
「分かったわ。でも私これから用事があって一緒に行けないの。食堂の場所は覚えている?分からなかったら他のサバイバーに聞いてみて。」
コクリ、と私は頷いた。
そしてエミリーさんは急いで部屋から出て行く。
『もう少ししたら行こっかな』
また横になって目を閉じた。