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Identity5【第五人格】乙女のままで

第2章 始まり



10分くらいすると、エミリーさんが来た。


エミリーさんは私より重症だったのか、ガーゼと包帯が巻かれていた。


「体調はどうかしら?」


『あ…』


「倒れたって聞いて、心配したわ。ごめんなさい、先に飛んでしまって…」


『あ、いえ…全然…大丈夫、です』


「本当?無理しないでね。なんせ、死神相手だったもの」


『死神…?』


「ちゃんがさっき試合をしたハンターよ、リッパーって言うけれど」


リッパー……


リッパーって言うんだ。


さっき名前聞けなかったから、名前聞けてよかった。


全然嬉しくは無いけど……


「ここに運んできたのもリッパーなの。びっくりしちゃったわ」


『えっ……』


私も驚いた。


「そろそろ夕食の時間なんだけど、来れるかしら?無理なら持って来るよう頼むけれど……」


もう、そんな時間なんだ…


『…食べに行けます』


「分かったわ。でも私これから用事があって一緒に行けないの。食堂の場所は覚えている?分からなかったら他のサバイバーに聞いてみて。」


コクリ、と私は頷いた。


そしてエミリーさんは急いで部屋から出て行く。


『もう少ししたら行こっかな』


また横になって目を閉じた。
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