第2章 始まり
『……っ』
──あれ、ここは……
ハッとした。
寝ていたのか、目が覚めた。
辺りを見渡してみる。
私はベットで寝ていた。
「気が付きましたか?」
声が聞こえて起き上がって見てみると、荘園で会った男の人だった。
「あ、エミリー先生呼んできます、ね……」
もしかして、ここはエミリーさんの診察室なのかな。
隣には机があって、ベットもある。
『…はい』
頷くと、男性は部屋から出ていった。
いなくなってから私は、ぼー……と何も考えずにいた。
『えーっと、あの人の名前なんだったかな……』
人の名前を覚えるの少し苦手。
『イソップ、さんだったかな……?』
ふとさっきの事を思い出した。
──本当にアレ入ったのかな……
「アレってなんですか?」
『え、おち……』
いつの間にかイソップさんは戻って来ていた。
一気に顔が熱くなるのが分かった。
『あ、の…口に出て、いましたか…?』
私がそう聞くと、イソップさんは頷いた。
心の中で呟いたかと思っていたら、声に出ていた。
──恥ずかしい…
言いそうになったのがとても恥ずかしい。
「その、エミリー先生、今試合中でした…終わったらまた呼びに行くので、さんは休んでてください」
イソップさんに言われ休むことにして、ベットに横になった。