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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第1章 今の二人



「軍の電伝虫、肌身離さず持っていてくださいね」
「あー…」
「代わりの部下に持たすのやめてくださいね。伝達を受けた人が貴女を探し回らなきゃならないんですから」

過去の騒動を反省しているのかいないのか、曖昧な返事をするクロエにジルは今までクロエの代わりに持ち歩いていた電伝虫を押し付けた。

「では私は事務処理があるので戻ります。貴女はどうされますか?」
「もう少しこの島を回ってみるよ」
「わかりました。なにかあれば連絡を」
「よろしく」

軍艦へと去っていくジルを横目に、海軍支部で貰ったマップを広げた。
ロー達との合流場所はどこにしようかと、あちこち見ていると、この島のリゾートエリアに目をとめる。自分の軍にもロー達と会っているのを知られれば不味いことになるから迂闊に皆が集まる所では姿を見せられない。
ならば、荒くれものしかいない無法地帯か、もしくは自軍のやつらに手も足も出ない程の超高級リゾートエリアに行くか…

「やっぱここだよね」

決めた行き先の道程を頭にいれ、クロエは歩き出した。










『本当に長期休暇取ったのね、羨ましい』
「むしろ今まで休みなしで働きましたからね。その分休みます。部下にも休暇をやらなきゃ離職されちゃいます」
『その前にクロエちゃんが辞めちゃいそうな気がするのは気のせい?』

青キジが元からやる気はないもんね、と電伝虫の向こうで呟いた。
まぁ、それはその通りで。なりたくてなったわけではない、海兵なんて。

『サカズキは無視していいからね。あいつ俺への当て付けも込めてクロエちゃんに厳しいだけだから』
「そうでしょうね。やる気の無いところなんてそっくりですから私達」
『え、俺やる気はあるよ。だらけてるだけで』

あんのか、と言いそうになったのを喉の奥へと押し込む。
上司からも休暇の許可を貰ったのち、そんな世間話をしていた。
ちゃんと任務頑張っていたご褒美の長期休暇だと言うことを報告をしておかないと、休暇返上!とか言われかねない。

「とにかく、長期休暇いただきますね。私超高級な宿、予約取っちゃったのでなに言われても出動しませんから」
『アラ~いいじゃないの。おじさんも行って良い?』
「嫌ですよ」

それではまた!

ガチャン!

場所を探られる前に切ることにした。
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