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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第1章 今の二人


前回会ったのはいつだったか。
彼女が本部へ帰る前だったから1.2年だろうか。
自身も忙しかったとはいえ、ひどくご無沙汰である。


「何日、時間とれるんだ」
『日数で答えなきゃ駄目なの?もしかしたら数時間だけしか取れないかもよ』
「ふざけんな。いつぶりだと思ってる」
『え、もしかして前に会ったっきり?』
「あ?」
『街でおねぇちゃんでも買えばいいのに…』


いけしゃぁしゃぁと言う女に、電伝虫を握り潰しそうになる。


「てめ…」
『わかってるよ。ローは潔癖だもんね』


どこの誰かもわからん女は触れないよね~とケラケラ笑う女の口を塞いでやりたくなった。
そういう彼女の事もわかりきっているためお互い様だろと言っておいた。


『情報収集はどう?捗ってる?』
「行き詰まりとまではいかねぇが、難航してるな」
『そっか。道中いいネタないかまた探ってみるよ』
「助かる」


自身の目的を知っている彼女は時たま手に入れた情報をくれる。


『そういえばやつの……!』


言いかけたところで彼女の方から扉のノック音が聞こえた。
言葉を切った彼女だが、電話は切らないようだ。
布のようなものを被せられたおとがして暫くガサガサしていたがそのうち話し声が聞こえた

彼女と、男と。

よく聞く知った声(一方的ではあるが)に、彼女の部下のジルというやつだと見当をつける。
側近とも呼べる存在で、いつも彼女に付いて回り、サポートしているのだとか。
戦闘能力もさることながらサポートとして仕事の技能は申し分無いらしく度々優秀な男なのだと自慢してくる。

正直、それを聞くとイラつく。
仕方がないことだとはいえこちらは遠くはなれた海。会えるのは良くて数ヵ月に一度。酷い時は数年。
それに比べあの男は常に彼女の側にいるのだ。
電話をかけ始めた時とは比べ物にならない程、機嫌は一気に下がっていった。



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