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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第1章 今の二人


ジリジリと照りつける太陽にうんざりしていた頃、その知らせは届いた。
昔から誰にも使わせたことのない超小型の電伝虫が鳴ったのだ。
小さく短く振動をして止まったそれは、決め事の通りで相変わらずなやり取りに心が落ち着くのを感じる。
まだ、関係は切れていない。


「ベポ、この先の航路で大きな街のある島はあるか」


テーブルを挟んだ向かいで海図を見ていた白熊に問うと、二つ先の島がそうだと海図を指差す。
まだ一月以上は掛かりそうな距離だった。


「どうしたの?なんか買い物?」
「あぁ」


ベポ、そして背後のソファにいたペンギン、シャチにも聞こえる声量で告げる。


「とびきりのメス熊が来てるかもな」
「「「…!!」」」


驚いた表情の三人と、「よかったじゃねーか、ベポ!」と冗談と受け取った他の居合わせたクルー。
これは昔馴染みの四人だけが分かる合図だった。













『暇だったの?ずいぶん早い折り返しね』
「久々の挨拶がそれか」


三人に告げた後自室へと戻り、時間を見計らって懐から超小型の電伝虫を出してかける。
これはかける相手が限定されている番のある電伝虫。受け取る相手は一人しかいない。


『久々海に出るの』
「いつだ」
『二日後。どっかいいとこない?』


久しぶり、も元気だった?もない会話。
そんなことは相手の声色から分かる。故に省かれる。
多くは語らない。会えたときでいいのだ。
先ほどベポから聞いた辺りを伝えれば了解、と短く返事が返ってくる。


『私の方が先に着きそうね。どこか適当に押さえておくよ。あとで知らせるね』
「あぁ。あいつらも…」
『えぇ。久々だもの皆で飲もうよ』


楽しみにしているとふわりと笑う声に懐かしさが込み上げた。



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