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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第6章 休暇(後半)


隣にきた女は、端から見たら綺麗なのだろうか。
確かにな宝石などのアクセサリーやきらびやかな服装は綺麗なものだ。
だけど着飾る本体が違えば魅力は半減。むしろ本体の気持ち悪さを増長したりもする。

今隣に居る女が気持ち悪いかというとそうではないが、触りたいかと聞かれたら触りたくないし、触れられたくもない。

例えばこれがクロエが隣にいて、クロエが同じような服装で、アクセサリーを身に纏っていたら。
仲間が居なければ、ここが酒場じゃなければ、速攻で押し倒している。
少なくとも腰を抱いて首筋にすり寄って香りを堪能したい。

もんもんと脳内変換を繰り広げながら静かに酒をあおり続ける。
その間も何が楽しいのか隣の女達はぺちゃくちゃと喋り続けているが、耳に入ってくることはなかった。
だが、隣の女が腿に乗せてきた手がクロエのものとは違うことに、頭より先に体が拒否して鬼哭を手に立ち上がっていた。

「キャプテン…?」

ペンギンがすこし驚いたような顔で此方を見る。
それに「先に戻ってる」とだけ告げて輪の中から抜け出した。

クルーと飲むのはいいが船でも出来る。
女遊びがしたい彼らに合わせる気は全く無かったので早々に出ることにした。

途中、カウンターに座るクロエと視線が合った。
会話してる男越しのその視線は少し笑みを含んでいて、それでも「待ってて」というメッセージは受け取れた。

どうせ嫉妬し返そうとして女を侍らせてみたが耐えきれず失敗したのを分かっているんだろう。
惚れた方が負けとはよく言ったものだ。

帽子のつばを下げながら店を後にした。










「やっと見つけた。店から離れすぎ」

クルー達といた店から移動して、クロエの言うとおりすこし離れたバーで待っていた。
ビブルカードを辿ってきた彼女は、自分の名前が書かれた用紙の欠片を懐にしまっている。

「近くで直ぐに鉢合わせても面倒だろ」
「でも今探すのも面倒だった」

席についたクロエはバーテンに同じものを、と頼み足を組んで此方に体を向けた。

「嫉妬の仕返しに失敗したローさん、これからどうします?」

からかい口調のクロエにイラついて舌打ちが漏れる。
それにクスクス笑う女は外見こそいつもと違うが、纏う雰囲気と香りはクロエで、あぁやっぱり良いなと思った。

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