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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第20章 番外編 勘違いから始まる


「お前の好きな酒、望むだけ買う」
「んー、魅力的だけど弱いわ」
「…服とか宝石とか」
「正直お金で買えるものには不自由していないの」

視線がうろうろとさ迷う様子を見て内心笑う。
身内限定かもしれないが、ローは立場が弱くなるととことん弱くなる。
いつもの冷静で狡猾なスタイルは見る影もない。
打たれ弱いベポを笑えないのだ、この男は。

「……どうしろっていうんだ」

私が"怒っていますよスタイル"を崩さず高圧的に見えるよう構えていれば、バツの悪そうな顔が呟く。

「そうだね…」

すこし考えてから、そういえばイイモノ持ってたんだったとローから降りる。
放置されたバッグを漁り、奥から目当ての錠剤を取り出す。

少しの思案し、卑怯と言う言葉が頭を過るが、先程の仕打ちを思い出した。
これくらい、許せ。
錠剤を手に隠し持ちローに振り返った。

「お詫びとして、本音を語って貰いましょうか」

にいっと笑って近づき顔を寄せる。
耳許で呟き、ローの視界から隠れると持っていた錠剤を口に入れる。
溶かさぬよう気を付けながら怪訝な顔をしているローに口づけた。

「…っ」

何かを入れられたのがわかり驚いていたが、そのまま口を塞いでやれば諦めて飲み込んだ。
信頼あってこその行為に満足げに笑った。

「なに飲ませたんだ」
「自白剤」
「…は?」

驚いた表情のロー。
それにほくそ笑みながらバスルームに向かう。

「海軍でたまに使うのよ、海賊相手に」

使い物にならなくなった衣服は諦めて、ホテル備え付けのバスローブを羽織った。
ついでに目の前の男にも投げつけてやる。

「さて。尋問タイムといきましょうか」

素直に羽織った隙に、カバンから取り出して隠し持っていた海楼石を手にかけてやった。



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