第16章 番外編 キスしよう
4.チョコキス じゃなくて梅干しキス
「…っ!!?」
ぐっと眉間に皺が寄り信じられないものを見たかのように目を見開く。
口許を押さえたローはこちらを睨んできた。
「あはは~してやったり!」
「おまえ、キャプテンに梅干し食わしたのか!?」
命知らず!と何処かから聞こえるが、面白いものを見れたので良いじゃないか。
「キャプテン大丈夫?」
「ティッシュいります?」
べぽやらみんなが心配そうに(でもちょっと口角が上がっている)見る。
クロエはというと幼い頃にしたリアクションと変わらないローの姿に更に笑いが込み上がっていた。
その時は飲み込めず、かといってこれ以上口のなかで動かすのも嫌なのか微動だにしないローに笑わせて貰ったものだ。
さて、今回はクルーのいる手前、どうするのか。
大層ご立腹の顔のローは、変わらず口許を押さえたまま動かない。
たが此方を鬼の形相で見てくるからそろそろ助言してやろうか。
と、思ったのだが急に腕を引かれてローに近づく。
気付いた時には顎を捕まれて唇が合わさり、むりやり開かれた口内にすっぱい個体が転がり込んできた。
序でにローの舌も入り込み、舌上に残る味を擦り付けるように執拗にクロエの舌を追い回し、静まり返った食堂にあらぬ卑猥な音が響いた。
「っ…」
「…てめェ、覚悟できてンだろうな」
思ってもみなかった展開に頭が追い付かないクロエをローは担ぎ上げる。
そのまま食堂の扉へと向かった。
「お仕置きだ」
パタリと閉じた扉の向こうから、自業自得なクロエの叫びが聞こえてきた。
〉甘いものをお互いの口に移したり、唇で挟みながらのキス
甘いもので甘い夢にしようとしたけど、甘いもの食べるのかなぁと考えてたら梅干しにしちゃいました。