第16章 番外編 キスしよう
3.プレッシャーキス
「もう一回やり直して」
「…あ?」
気だるい体を起こしながらクロエを見れば、真面目な顔してこちらを見ている。
なにをやり直すのだろうか。
「今からもう一度セッ…」
「違う!キス!」
「……あ?」
意味がわからず眉間に皺が寄る。
いったいどこのキスの事か。
する前もしてる最中もキスは沢山した。
「意味がわからねェ」
「あ、ちょっと…」
もう寝ようかと体を布団に潜り込ませれば、その布団を剥ぎ取られる。
「もう少し分かるように言え。言葉が足りねェ」
「だから、キス!いきなり噛みついてきて始めるなんて!もっとこう…人の体弄くる前に、触れるだけでドキッとするような優しさのあるキスをするとかさ…」
「…口開けろ。文句いえねぇようにしてやる」
「ま、まってまって!違うから」
顎を掴んで喰ってやろうかと顔を近づければ、少し青ざめた顔で両手を突っぱねてきた。
「じゃぁ私からするから、ローは動かないで!」
「……」
何がやりたいのかわからないが、とりあえずクロエ言うように動かず黙ることにした。
ちゅ、
肩を掴んで顔を近づけたと思ったらゆっくりと重ねられた唇。
すりすりと感触を楽しむようなキスのあと顔を離せばそこには満足げな顔をしたクロエ。
「…なにその顔」
「いや、ベポのガルチューの方が濃厚だな」
「挨拶と一緒にするとか失礼な!」
からかってやれば少し顔を赤らめて怒る。
だが、クロエがして欲しいことはなんとなくわかった。
〉つづく