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【ONE PIECE】人はそれを中毒という

第13章 ハートの海賊団


宴の翌朝、朝食も終わり洗濯でもしようかと廊下を歩いているとペンギンとすれ違った。
ちょうど良いところに、と腕を引かれたまま着いていけば皆の寝室があるエリアに着く。その一角にあるドアの前に立たされれば、そこは【女子部屋】とプレートが掲げられていた。

「女子部屋!」
「やっと片付いたんだ。物さえ搬入すれば使えるぞ」

入れよ、とドアを開けて促される。中を覗けば男数人とイッカクがいて、掃除道具を持っていた。

「きたきた!待望の女子部屋だよ!」
「あと掃除だけだから買い出し行く前に皆で終わらせちゃおうぜ!」

イッカクが嬉しそうに駆け寄ってきて、その手に持つ叩きを渡される。
背が高いから私は上からホコリを落とせと言うことらしい。
女子部屋なのに男衆も手伝ってくれるのに礼を言いながら、皆で掃除に取りかかった。
元々がリネン系の保管庫だったからかブラシで擦るような汚れこそないがホコリが多い。
船の構造上ここの窓は開かず、皆ウニのように顔半分以上を布で覆いながらの作業となった。
物は全て出しているためにあまり時間もかからずホコリを集め終わり、今度はモップに持ちかえ床を洗い流す。木ではないから掃除がしやすくていい。軍艦の掃除は本当に大変だったと思い返してみたが、下積みが短かったからさほど記憶に残ってはいなかった。

そこそこ掃除も終わり、あとは搬入前に濡れた床などを乾燥させようとなり道具の片付けをしていれば、外着を着たローが顔を出した。

「終わったか?」
「キャプテン!片付けしてたところッス」
「なら買い出し行くぞ。天気が悪くなりそうだから早めに出た方がいい」
「「アイアイ」」

シャチを始めとして買い出し班になっている人もいて急いで片付けを終わらす。イッカクに買い物行くのか聞けば今回は船番を担うために出ないと言う。また明日以降の自由時間に部屋に必要なものを揃えに二人で見て回ろうと約束し、新たに自室となった部屋の前で別れた。

(あ、お金がないからまずローのところに行かなきゃ…)

賞金首でも見つけたら狩りに行くのだが、果たして海軍の駐屯所に私が顔出せるものなのか。いや、ダメだよな。変装するにも道具がないから、やっぱり一度ローに借りなければならない。
目を閉じて見聞色で探ればローはリビングにいる。
間繰り上げていたツナギの裾をもとに戻しながら足早にリビングへと向かった。

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