第13章 ハートの海賊団
これほどまでの激情を感じたことは25年の人生の中でもそう多くはない。
身を焦がすほど、とかよく聞くフレーズがぽやっと思考の端で浮かぶが着地はせずにすぐに消え去る。
どの言葉も今の感情には当てはまらない。
だらしなく半開きの口からは絶えず甘い声が発せられ、視点の定まらない瞳孔の開いた目からは揺れ動く体に合わせて涙が散った。
うわ言のようにローの名前を呼ぶクロエの背にキスをし、ベッドに押し潰すようにその体にのし掛かる。
逃げがなくなった体に思い切り腰をぶつければ自由にできない体の代わりに声が跳ねた。
「キモチイイ、な…クロエ」
「やっ…あ゛ぁっ」
耳朶を食み、鼓膜に直接声を吹き込む。
そうすれば今のクロエは簡単にイク。
何度目かわからない絶頂に、搾られるような強い締め付けがローを襲う。
奥歯を噛み締めその刺激に耐えると、余韻で震える脚を掴み体を横に倒し、片足を肩に担ぐ。
広がる秘部により腰を密着させて内壁を抉るように腰を揺らした。
幼い頃から常に体を鍛えてきたクロエはとても体が柔らかい。
だから多少無理な姿勢でも柔軟に関節が開き、より深い快感を得ることが出来る。
担いだ片足ごと体をクロエの方へと倒せば、奥の壁に強く押し当たる男根の先端部。
「ぃ、あっ…お、くぅっ」
「…はぁっ」
ローは漏れそうになる声を唇を噛み締めながら耐える。
限界が近いと感じ、ぐりぐりと数回当て続ければローは耐えることなく達した。
それを見ていた#NAME1もまたトンッと強く当たる振動と、注がれる熱い飛沫に背をしならせた。
「クロエ…クロエ」
「ん…」
意識が落ちそうになっているクロエを呼び止める。
体を離し、仰向けに寝転がした上に覆い被さり意識を戻そうと唇に噛みついた。
うろうろとさ迷う視線がなんとかローに合う。
その瞳にまだ寝かせるつもりはないと伝えれば、僅に見開いた。
「……少し休憩を」
「しねぇ」
「です…よネー…」
既に入り口に宛がった男根は見事に復活しており、クロエは「さっきイッたのは自分だけだったかな?」と唸った。
再びゆっくりと割り入ってきたその感覚に悶えるクロエ。
腕にすり寄る獲物を前に舌舐りをしたローは捕食者の笑みを浮かべ、快楽と疲労に震える体に噛みついた。